災難な宇宙人
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 海賊幽霊の秘宝
  ・ 概要
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 逆襲のハナハナ団
  ・ 概要
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      - 問題編 @ A B C 
      - 解決編 @ 

海賊幽霊の秘宝




 (〜鬼ごっこ終了後〜) 




少年「宝、結局手に入らなかったね……」 

少女「くぬう 一攫千金億万長者の夢が…… 
   ガッデムあのもうろく海賊! 
   あたしが貧しさで死んだら祟ってやる!」 


(幽霊、背後からニュっと現れる ) 


幽霊「最近の若いモンはいちいちヒドいのう……」 

少年「わわ、わ」 

少女「何ようおじいちゃん、まだいたの? 
   宝はもう渡しちゃうんだし、成仏でもしたら?」 

幽霊「うーん、それもまあ考えたんじゃが 
   もうちょい幽霊ライフをエンジョイしたくての 
   それよりホレ、これ」 


(幽霊、きらめく金貨を二人の前にそれぞれ落とす) 


幽霊「今晩は久方ぶりにエキサイトした夜じゃったからの 
   お礼ってほどでもないが、おすそわけじゃよ 
   量は少ないが、正真正銘の海賊の秘宝じゃぞー」 

少年「海賊の、秘宝…… 
   そっか、ぼく、宝を手に入れられたんだ……」 

少女「そうねえー まあ、ショボイお宝だけど 
   度胸試しの冒険としては成功じゃない? 
   幽霊だってすっかり平気になってるし、ね」 

幽霊「じゃのう 十分丈夫な心臓しとるわい」 

少年「…………そっか、そっかあ」 


(遠くから妹、こわごわ登場) 


妹「ね、ねえ、どこにいるのー? 
  ちょっとー、返事してよ、ねえー 
  ううう……」 

少年「あっ」 

海賊「ん? あのお嬢ちゃん、知り合いかの?」 

少年「うん、宝探し行こうって約束した、友だち……」 

海賊「ほー 最近の子はマセちょるのう」 


(少年、妹と少女を交互に見る。) 


少女「あんたのこと、探しに来たのよ 
   ここにいるって聞いたから。 
   ……さ、こうやって宝も見つけたんだしさ 
   もう宝探しは十分なんじゃない?」 

少年「………うん…… 
   ……ありがとう…… 
   /太陽」 


(少年、フッと消える) 


幽霊「○×■Σ★☆Ω!!!?? 
   きき、消えた!?」 

少女「まあ、消えるのは幽霊の専売特許だし」 

幽霊「幽霊って、ええ?? な何、どゆこと??」 


(妹、泣きながら少女に駆け寄る) 


妹「わあん、おねえちゃあああん!! 
  何であたし連れてきといて先行っちゃうのーー! 
  ここって子どもの幽霊出るんでしょ!? 
  可愛い妹に何かあったらどうすんのよー! 
  ……って、このおじーちゃん、だれ? 
  /はてな」 

幽霊「え、えーと こんばんは……?」 

少女「ああ、おじいちゃん これ うちの妹。 
   あたしの小さい頃にそっくりなのに、 
   どーもビビリでねえ」 

妹「昔のおねーちゃんが規格外なんです! 
  あああたし、ももう無理、先帰るからね!」 
(妹、とっとと去る) 

幽霊「………エー つまり?」 

少女「うーん あのねー  
   あたし、昔 友だちと約束してたのよ 
   一緒に海賊の宝を探しに行こうってさ」 

幽霊「ほー?どっかで聞いたような」 

少女「でも、あいつ体弱くてさ 結局行けずじまいでねー 
   今日までかかっちゃったけど 約束、守れてよかったわ 
   まあ、あたしがこんなに美しく育っちゃったから 
   あいつの方は分かってなかったっぽいけど」 

幽霊「?? ……あいつ?」 

少女「うん、さっきのあいつ。あたしの友だち。 
   あんなビビリが、こんなとこに一人で残るくらい 
   ずっと気にしてたなんてね・・・」 


(少女、少年のいた位置に花をほうる) 


少女「でも、今夜ようやく成仏できたみたいだし、 
   念のため妹も連れてきて正解だったわねー。 
   おじいちゃんも、ありがとね」 

幽霊「と、いうことは、まさかもしや……
    ギャーーーーーーーーーー!!おばけ!!」 

少女「あんたが言うな、あんたが。 
   じゃ、あたし帰るから、縁があったらまたねー 
   /片手」 


(少女スタスタ去る) 


幽霊「ま、待っとくれーー! 
   ここ怖いんじゃから一人にしないでーー!」 


(幽霊、慌てて追っかけようとし、あたりをキョロキョロ) 


幽霊「…………ええと ゴホン! 
   皆のもの、まっことご苦労じゃった! 
   それでは、最初に約束したとおり 
   わしこと大海賊の秘宝を譲り渡すのである!」 


で、表彰式になだれこむ。